5月5日(金)
5時過ぎに子供らが目ざめ、私は絶対に寝続けるぞという強い気持ちで6時まで起きていた。秩父の朝は早い。
起きてから朝食までも少し時間があるので、みなで風呂に行った。昨日はほとんど誰もいなかったが、今朝は男湯もさすがに混んでいる。といっても5人くらいだが……
風呂からの眺望も抜群である。眺望に振りきったホテルなんだろう。
反対側の眺めは畑である。管理人とおぼしき人が早朝から水を撒いていた。
朝食のビュッフェ、子供たちは子供たちにまかせていたが、とってきた皿を見て笑ってしまった。クロワッサン、スクランブルエッグ、レタス1枚、ミニトマト2個。それでいいの? まあ何度でも何でもとってこれるので良いのだろうな。大人は和食ベースに、漬物や味噌汁を楽しむ。秩父は大きな町でもあって、野菜や調味料などなんでも地のもので揃う。うらやましい。
一通りおなか一杯になって、チェックアウト。子供らはずっといたがった。ずっとホテルの部屋でゴロゴロしていたい気分、わかる。
ふたたび駅前で荷物をあずけ、羊山公園へ。ここは芝桜の名所らしいがすでに季節は終わっており、まあちょっとだけ紫が残っているかな、程度だった。屋台でいろいろ味見をして、写真でも撮るか、と思ったら上の子の機嫌が悪い。
どうしたの? ブラシがない。
ブラシとは、ホテルのアメニティのブラシで、この人は朝から気に入ってずっと髪をとかしている。それがないというのだ。そんなもの、知らん。
知らんが、仕方なく順番にさかのぼっていくと、ハチミツ屋の屋台でみつろうクリームを試着?したときに置きっぱなしにしているのが見つかった。見つかるとは思っていなかったよ。
公園をずんずん進んでいくと、馬がいて、試乗できるのだという。2人分の料金を払って、子供たちを乗せる。馬はサラブレッドだった。ポニーと違って筋肉も力強く凛々しい。
下の子が乗り終わった後、馬を撫でていたら噛みつかれてしまった。すぐに離してもらえたが手がベトベトで、結構痛かったらしい。強がって我慢していたが痛さと怖さで泣いてしまった。
上の子の試乗も終わり、下の子は湿布をしてもらってその場を去った。馬に噛まれるというのはなかなか……
昼食に、屋台で焼きそばとか鹿肉の串(めちゃくちゃ柔らかくておいしかった)を食べ、我が家の犬がうらやましいと子供たちは言っている。よく鹿肉のフードを食べているからね。
少し離れた喫茶店まで歩いていき、かき氷を食べて駅へ。
今度は土産物で上の子の機嫌がぐちゃぐちゃになった。ホテルで売っていたお土産のキーホルダー、同じものが売っていると思って買わずに出てきたが、売ってないのでぶんむくれている。もうそれはどうしようもないよな……
30分くらいお土産物屋でぶすぶすしていて、しかし最後には変なぬいぐるみで妥協していた。本当に機嫌に左右される旅である。
帰りの電車はボックス席がとれたので飯能駅で我々もスイッチバックする。
池袋で私は家族と別れ、実家へ。犬を迎えに行かねばならない。
実家の近くの駅で車に顔をのぞかせ、声をかけると、犬がクンクンと言った。
その場で買ってきた梅干しを母と半分こして、重たい荷物と犬を抱えてどうにか帰ってきた。はあ。へとへとだ。
冷凍シュウマイがあったので、白飯、肉味噌、目玉焼き、水菜、シュウマイを雑に盛り合わせた夕食を食べ、とっとと寝た。