10月11日(水)
5時に起きる。最近だいたい毎日5時に起きている。
起きた瞬間は誕生日であることを忘れていたが、しばらくして思い出した。39歳になった。
30代も最後である。長かった。20代の最後に家を買って引っ越すところまでやっておいたので、30代では下の子が生まれたくらいで、あとは延々と今の家で子育てをしてきた9年間だった。
子どもたちは起きてきて誕生日の父に何も言わずテレビを見始めた。
「朝ごはんなに?」
「グラノーラだよ」
この人たちさては本当に忘れているな?
グラノーラとゆで卵をかきこみ、「なんか忘れてるものない?」と聞いてみるが、
「メダカのえさ!」
「水筒!」
「音読」
何を忘れているのかまったく気づく気配がない。
カレンダーを見てごらん、と促して、ようやく父の誕生日に気づいた。登校5分前である。まあ父親なんて、そんなものだな。子育てをがんばった俺の30代は何だったんだろう。
しかし体調もあまり好ましくない。子供らを送り出した後はどうにかこうにか仕事をするが、かなり疲れ気味だったので昼寝しながらの仕事となった。
昼寝しながらの仕事が許されるのだから在宅勤務はやめられない。出社を命じている会社は従業員に体調が多少悪くても休まず働けと言っているに等しい。
体調があまりよくないときはタンメンを食べるというのが習わしになっている。最近はまっている少し遠くの町中華まで出かけてタンメンをすする。この中華屋がいいところは、相席に躊躇しないという点だ。4人掛けテーブルが2個あったとすると、両方のテーブルに1名様×2を相席させ、後から来た3名様を1人2人に分けてそれぞれにさらにねじ込む、みたいな相席パワープレイが見られた。気持ち良い。
相席パワープレイを見て、しかし体調は良くならずふたたび寝ながらの仕事へ。
夕食は妻が鶏の手羽先焼きを作ってくれた。特に私の好物というわけでも何でもなく、本当に何でもなく誕生日が終わっていった。いやまあ、お祝いは数日前にやっているからこれで全然良い。