11月9日(水)
非常に憂鬱な一日がはじまった。なにせ朝から会社で重ための会議、そして私が異動してチームを去る旨を皆に伝えなくてはならない。部署長が去るというのは、それを自分で伝えるということだ。
ちょうど2年と半年前、同じ儀式を行った。その時はオンラインだったのでスライドを用意した。山口百恵の画像を用意し、「さよならの向こう側」の歌詞を引用して楽しく伝えた。
今日はリアルミーティングがあるのでそれは行わない。物理的なお別れである。
子供たちが学校にいくのとほぼ同時に家を出ないといけないので朝から洗濯をして、焼きおにぎりを焼いて子供たちに食わせ、食わせている間に洗濯ものを干して、バッグにPCを詰め込む。
家を出て会社へ。9時にどうにか間に合った。
一応部署は出社日なので私の部下もたくさん来ている。昼食は時間がなかったので近所でパンを買ってあったが、部下もパンを買ってきたので一緒に食べた。今日、別れの挨拶があるとも知らず……。
午後も重たい仕事があって、それをどうにか片付けて、18時までのカウントダウンに入る。
18時に会議室に移動し、うすうすお察しの方も多いと思いますが、私が出向から帰任、正確には出向先変更という形でこのチームを去ることになります。と伝えた。会議室に、静寂が墨のように流れていく。オンラインで入っているメンバーも多く、チャット欄にも同じ墨が流れていく。これが物理的なお別れか……
何か質問はありますか? そりゃないよな。
自分が部署の長として求心力があるか、有体に言えば好かれているかどうかは、どこまでいってもわからないものだが、しかしこういう時は周りがどうかを気にせず、主観を発するのがよいのだろう。寂しい気持ちでいっぱいです。
その後は飲み会があって、新しいメンバーの歓迎会なのだ。歓迎会なので楽しくやろうという皆の心意気があって最後まで楽しく話すことができた。二日酔いには絶対になるまいの気持ちを込めて飲み物の半分をアイスティーやラムネにしたので、時間は遅かったものの、すっぱりと帰ってこれた。