4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

苦しんでいないという事実だけで

2月17日(木)

父の抗がん剤治療が今日から始まる。前回大変苦しかったので今回の薬は体に合うことを祈っている。

妻の祖母が今朝、亡くなったらしい。前日に会いに行けてよかった、もし一日でも延期していれば会うことはかなわなかった。

濃くなっていた死の影がひとつ通り過ぎていった。私は妻の祖母には2回くらいしか会ったことはないが、92年間良い人生であったことを祈った。過去のことを祈るなんておかしい話だ。


牛肉の醤油煮が残っていて、それを卵でとじて食べる。本当はこのタイミングで納豆を食べるべきではあるのだが、牛肉を早く食べなくてはいけないのでペースが崩れる。

子供たちは学校に行き、妻は家にいる。私は昼時にミーティングが入ってしまったので、少し早めにランチに出た。

近所に最近オープンしたおしゃれなパン屋に行ってみる。10時前くらいに訪れたらまだやっていなくて、11時過ぎに訪れたらすでにお客さんが入っていた。2階がカフェスペースになっていて、そこではパンのイートインに加えて、1000円でカレーが食べられるのだという。

クリームパンは甘さ控えめであった。甘さ控えめのクリームパン、好きな人は好きかもしれないが、デザートを期待した私にとっては少し肩透かし気味である。

午後にかけてLINEで父から「午後から抗がん剤です」と来ていたがそれをうっかり見過ごしてしまっており、夕方にリビングに行ったときになってやっと気がつく。

今回は副作用がまだ出ません。とのこと。

おお……!

もちろんわがごとではないし、それにより父の死の影が薄くなることはないが、苦しんでいないという事実だけで私も救われた気分になる。

母にも「お父さんつらくないってね」とLINEをする。まだわかんないけどね。

妻が夕食にスペアリブを焼いてくれた。歯がない下の子は食べられるのかを危ぶんだが大丈夫だったらしい。


そういえば私がいままで出会ってきた死につつある人は、だいたい高齢で、意識がもうろうとしていてコミュニケーションがとりづらい状態にある人々だった。

父とのコミュニケーションはすごく不思議だ。