4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

余命いくばくだったとしても、人生最後の酒がいつになるのか、わからないものだ。

10月3日(月)

日記が4日分溜まってしまったが心配はしていない、なぜなら毎日なにかしら出来事があったからだ。

妻は今週は月・火と休みで水~金が出勤である。なので今日明日は家のことは任せられる。

この日は出社だ。朝から身支度をととのえ、会社へ。10月から私の組織に配属になった新人がいるのだ。

社会人一年生なる存在。何を考えているのか、私にはもうまったくわからない。十数年前のそのころ、見えていた世界はとても小さかった。先輩がこの世の7割、上長が3割で、会社のことなんて何もわかっていなかった。

新人がそう感じないように何ができるだろうか。

などなど思いながら仕事をしているとLINEが鳴った。母からである。父が緊急入院&手術なんだそうだ。ひゃー。

すい臓がんがある程度進行すると、胆汁が通る管を圧迫し、それが完全に塞がると黄疸などの症状が出るそうだ。父の場合はあと少しで、いつでるか、という状況だった。それが出たのだろう。黄疸だけでなく高熱も出たらしい。

夜は新人との会食があるので品川に戻ってくるとして、それまでに病院に行けるか。武蔵小杉だから横須賀線で2駅。近くて良かった。

駆けつけてみるとすでに母と弟がいて全員集合だった。3人で神妙に父の病状を聞き(だいたい想定通りだった)、そして車いすに乗せられた父がやってきた。内視鏡手術が終わってまだ1時間だが動いて話せる。

「あれだろ、もう長くないんだろ?」

そうだよな、そういうことを言いたくなるよな。言いたくなるのはわかるんだ。おれたちに返せる言葉はない。

取って返して品川でビールを4杯、そして焼酎を1杯飲む。

父はもう、飲めないだろう。たとえすい臓がんになって余命いくばくだったとしても、人生最後の酒がいつになるのか、わからないものだ。