4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

歴史の積み重ねを重んじ、我々は謹んで浴衣のはだけを受け入れるべき

2月23日(水)

旅館で目覚めた。浴衣がはだける。

浴衣をはだけさせない工夫はたくさんあるはずだ。紐をつけて結んでおくとか。でも浴衣にその機能がないのはおそらく時代の中ですたれていったんだろう。

浴衣のすそを紐で止めておくと、例えば緊急時に走れないとか。

日本人の歴史の積み重ねを重んじ、我々は謹んで浴衣のはだけを受け入れるべきなのだ。

喉がぱりぱりで、寒い。あまりに乾燥しているので夜中に暖房を止めたのだそうだ。そりゃ寒いわけだ。

7時くらいに全員目覚めたが、7時半から朝食なので急いで着替える。そして少し時間があったので皆で足湯に行く。風呂場への廊下に足湯がある。

インスタ映えますよ、おすすめの撮影角度はここですよ、と大変親切だ。

ほかほかになって朝食。昨日たいへん食べすぎたのであまり食べられないかと思いきや、やはりあれこれたくさん出てきたので頑張って食べた。子供たちは食事を残すことに慣れてきたようだ。普段は禁忌とされていることが旅館では許される、というロジックをようやく呑み込めてきたらしい。

私はふたたび風呂に入り、妻と子供たちはフロントにあったエアホッケーで遊ぶのだそうだ。

ほぼ貸し切りの風呂をしっかりと浴びて上がると家族はいない。部屋にいた。エアホッケーは朝食後しか動かないのだそうだ。

部屋を片付け、チェックアウトついでにエアホッケーの電源を入れる。ずいぶんと年季が入ったエアホッケーだ。

ヴィーン。風が弱い、パッドが浮かない。

知ってた。

駅までバスで行くか、歩いていくか。駅から梅園までバスなので歩いていくことに。子供らは歩き出して数分で「疲れたー」と言っている。がそれってようは甘えですよね。

駅からバスに乗って梅園を目指す。15分の道のりで、梅園まで1/3というところで止まった。混んでいる。

じりじり、じりじりとしかバスが動かない。渋滞だ。飽きてトランプで遊びはじめる。窓の外のみかんの直売所が安いしうまそう。

渋滞はいつか終わる。やがてついた。15分の道のりに50分かかった。

とりあえず無料券をもらっていた甘酒を飲み、ソフトクリームを舐め、午後も予定があるのであわてて梅を見る。6分咲きといったところか。良く咲いている株は美しい。そしておっさんは全員カメラをもっている。

「おっさんくさいのは嫌だからかっこいいカメラを買おう」と息巻いていたが、「カメラを持っている時点でおっさんくさい」のだとしたら無理じゃないか。

昼食に並んでると、前に並んでいた着物姿の婦人がいきなりアイスクリーム無料券をくれた。お子さんいるの、いいわねぇ。わたしたちが持っていても持て余すから(と3回言われた)。

しかし我々も既にアイスを食べたのだ。申し訳ない。

昼食にうどんとかを食べ、バスに乗って駅まで戻る。そこから歩いてクッキー工場へ。

「クッキー食べ放題」と「クッキーづくり体験」があって、「クッキーづくり体験」を予約していたが子供たちは「食べ放題」をしたがった。

なだめてなだめて、クッキーづくり体験に子供たちを放り込み、私たちは食べ放題をする。食べ放題といっても2mくらいの棚に8種類の不良品クッキーが並んでいるだけだ。クッキーはおいしかった。

特急電車に乗って帰る。同じ線路なのに、特急は快適だ。

17時すぎに家に帰り、驚くべきことに子供たちは宿題をやらねばならないのだ!! これが平日発の旅行である。

本気で嫌がっていたが、嫌がっていても宿題は逃げてくれないので最後は鉛筆をにぎる。

私はいろんな野菜と油揚げを鍋に突っ込んでぐつぐつ煮るだけのスープをつくり、皆で胃をいたわりあった。