1月20日(木)
そういえば少し前に、パープルカリフラワーという野菜を買った。
ふつうのカリフラワーの形で、しかし色はかなり濃いめのパープルである。値段は強気の398円。下の子とふたりで買い物に来たときで、下の子の強いプッシュもあってカゴに入れてしまった。
家に帰って、サラダか何かつくろうとして、そのパープルカリフラワーを蒸しゆでにした。フライパンに小さく切って、水を少し注いでひにかける。鮮やかな紫色に仕上がるだろう。
蓋を開けて、ひざから崩れ落ちた。そこにあったのはさんざん見飽きたグリーンのブロッコリー。ハリもなく、しなしなである。
紫は熱に弱いのは百歩譲ったとして(以前紫色のじゃがいもで肉じゃがをつくったらいつのまにか通常色になっていた)、これはカリフラワーではなくてブロッコリーだよね。どうしてパープルカリフラワーとして売ったの? パープルブロッコリーではないの?
欺瞞だらけだ。
起きたらすっかり7時をまわっており、やばいやばい。あわてて芋をゆでる。ポテトサラダにするんだった。
悠長にポテトサラダをつくっている暇はあるのか? 当然、ない。ないけどポテトサラダにするとおれは決めたんだ。昨晩。きゅうりを急いで塩で揉む。
7時半になってようやく完成した。バゲット、残り物の卵焼きとあわせて朝食にする。
最近朝食の時間がすっかり遅くなってしまって、ひとえに子供のせいだとしていたが大いに大人の責任もある。だいたい子供の寝坊もある種大人の責任だ。
子供と暮らすと責任分界点があいまいになる。全部親のせいのような気もするし、全部子供のせいのような気もする。
バタバタと子供らは家を出ていった。私は仕事。
昼食は散歩がてら隣駅まで行って、どうしても立ち食いそばが食べたくなって、ゆで太郎にドロップイン。かき揚げそばを食べる。
かき揚げにはネギの青いところとか玉ねぎのちょっと茶色いところとか入っていて、店のかき揚げだなと感じた。
少しの野菜、それも端野菜でもおなかいっぱいになる。主役になる。かき揚げはSDGs時代の旗手と言えるのではないか。
子供たちが帰ってきて、遊びに行った。そのうち妻も帰ってきた。鶏手羽中を焼いてくれた。
手羽中の醤油麴漬け焼き。醤油麹、というのは聞いたことがあったが何のことだかわかってなかった。とりあえず塩麴と醤油をまぜたものに漬けておいたものを醤油麹と呼んでみただけのものだ。おいしかった。
ご飯鍋に残ってしまったご飯粒を見て、上の子が「フードロス……」と嘆いている。そんなことを言われても……と思ったが、昔は鍋を洗ったあとの水をざるでこして、乾かして、何かしらの保存食にしていたと聞く。
子供たちに「ご飯を残すのはフードロスじゃないの?」と聞いてみると、それはお父さんが食べるからロスじゃない、と言われる。
お父さんは無理して食べているときもあるんだよ……。