12月31日(金)
トップの写真はなぜか撤去されずに残っていた近所のハロウィン。頭の上に太陽電池があって、クリスマスまで過ぎた今でも夜に煌煌と光っている。
金、土、日。月まで休みで、火から平日である。年末年始休みとイキってみたところで、その程度なものだ。
目覚めてすぐに妻が癌の療法について尋ねてきたのですっかりつらくなってしまった。いろいろな考え方があるだろうが、これをすればよくなる、良くなる可能性がある、というのはすべておまじないの類だと思っている。神様に祈るのも、それをすればよくなる可能性はある。
朝食は残り野菜をじょきじょき刻んで鍋に突っ込み、オリーブオイルとクミンで味付けしたスープ。残っていたベーコンの切れ端と卵を炒めたもの。パン。今年は冷蔵庫を空にするのはあきらめた。
妻が子供たちを迎えに行っている間に部屋をきれいにした。子供たちは10時過ぎまで起きていて、朝の5時台から起きだしてゲームに興じているのだという。まあたまにはよいか。
帰ってきた子供たちに「ひさしぶり」と言われた、そこまででもなくないか。しかし君たちにとっては親のいない夜は大冒険だったのな。
朝からポケモンパンやらおにぎりやらを食べたらしく、昼飯は朝の残りのスープにマカロニを突っ込んでやるがあまり食べない。大人だけもりもりとたべた。
めいめいに準備をし、妻と子供らは妻の実家へ。私は自分の実家へ。
一昨年まではいつもこうだったが、やはり病の影があるといろいろ心持も変わってくるものだ。
川崎のビックカメラで最新のスマホを触って「最新のスマホはでかすぎる」の想いを新たにし、タクシーに乗って実家へ。
母はリビングにいて、父は自室、弟も自室で父以上に重い病を抱えた犬の世話をしている。めいめいがめいめいの部屋にいるのが実に実家らしい。
母が普段アトリエにしている部屋が私にあてがわれ、そこには晩飯になる予定の寿司があった。寿司は私と引き換えに洗面所に移動した。冷蔵庫には入らないから涼しい部屋を選んで移動させているようだ。
猫の逆の動きをしている。
猫はリビングにいて温まっており母に爪を切られていた。
父からPCのディスプレイと、ついでにマウスを借りた。おそらく頼ってやるのが一番の親孝行なんだろう。
そしたら父はいったん自室に引き返したのち、ノートPCの下につける脚をもってきてくれた。なんでそんなのがあるんだ。父の部屋は小さな秋葉原のジャンク屋みたいになっているので、こういうのもあるんだろう。
黒のトーンがThinkpadと合わず、私だけならぜったいこれは買わないだろうなと思ったが余命宣告を受けた父のプレゼントは重い。うやうやしくPCの足をとりつける。
角度はとてもよく確かにタイピングしやすくなった。
夕食になり家族が集ってくる。寿司、そば、里芋の煮物という「夢庵かな」と思わせるメニューであったがそれぞれにうまかった。弟は犬の面倒があり早々に自室に引き返し、私も自室でPCをいじったりnoteを書いたりしてすごす。
大晦日だが年越しの瞬間に起きていたことがここ数年、ない。家族はめいめい自室にこもっている。私は今年も23時くらいに寝たが、同じ時間にほかの家族がどうしているかは知る由もない。それぞれ好きな年越しの仕方が違うのに、一緒にすごす必要も意味もないだろう、そういうことだ。
我が家らしい、良い年越しになった。