12月3日(金)
妻が帰ってくる予定だ。どうにか乗り切ってきたぞ。
前日もまた遅くまで働いていたので6時半ぎりぎりに起きる。
子供部屋からはどうやら喧嘩の声がする。朝から元気だなぁ。どうせ起きたらどっちがどれくらいはみ出ていたとか、そういうことだろうよ。
私は比較的独立志向の強い家庭で育ってきた。できるだけ早く個室が欲しいと思っていたし、実際個室は与えられた。今の子供たちの用に子供2人同室、ましてや同ベッドというのは30年経った今でもなんとなく理解しがたい、自分だったら早急に個室を求めるだろうなという想い。
同室同ベッドであるが故に喧嘩し、地震があり、地震の後で顔を出したら「地震の時にどっちは隠れた・隠れなかった」など地震をネタに揉めるので世話がない。
それでも朝食にパンを用意していたらちゃんと着替えて起きてきた。喧嘩は続いていたがじきにおさまった。
きんぴらとほうれん草を雑に焼きこんだ卵焼きとチーズをパンにはさんで食べる。うまい。雑であればこそのうまさはある。
子供たちは「今日学校にいったらもう普通の日だね」と言った。つまり「学校に行き、夕方妻が帰ってくる」というのはいつもの金曜日と同じであり、特殊なのは今日の朝までだと思っている。
文字にしにくいがその考え方、今でも私もよくやる。年末年始休み最後の週末が「もう普通の土日だな」とか。
昼飯に近くの定食屋でキンメダイの煮つけを食べ、仕事に励んでいると、子供たちが帰ってきて、
「近くに不審者が出たって●●ちゃんが言ってた」
「ナイフ持ってたって」
おお? 本当か? ナイフを持っているのはわかりやすく不審者だがそんなわかりやすい人いるかなぁ。●●ちゃんは結構話をひろげがちなところがあるので、はいはい、とあしらう。
そのうち「公園で宿題をする」と言って出ていった。そんなことが可能なのか。寒くないか。
しばらくして重要な打ち合わせに励んでいたら、ガラス戸の外、いきなりどこかのおばさんと一緒にうちの子たちがいた。
どこかのおばさん、何しに来た!
と最大限に警戒して席を立つと、それは下の子の担任の先生であった。
せ、先生~! どうしたんですか!?
「交番にいたので預かってきました。心配されてましたか?」
まってまって、情報量が多すぎるよ!
話を聞くと、公園に行こうとしたら、家の前に不審者がいるということで●●ちゃんは交番に向かい、それについていったらしい。交番で●●ちゃんがおまわりさんにいろいろ話をして、学校に連絡がいき、下の子の先生の登場、保護そして帰宅、となったようだ。
子供だけで交番に行ったのか……保護者はすぐそこ(ここ)にずっといたんだけど。
勇気ある行動だったのは間違いないが、いきなり交番に駆け込む前に身近な大人(つまり私)に声をかけてもよいのではないか、という話をした。次からはそうするという。
学校からは不審者が出たので気を付けてくださいというメールがあった。
不審者情報はこのようにして生まれてくることもあるのか。
18時頃に妻が帰ってきた。下の子は泣いた。
一緒に麻婆豆腐丼を食べながら妻と、こんなに下の子は泣いているが寂しくて大丈夫だったのかと聞かれる。大丈夫だったよ、けろっとしてたよ。食事中に席を立ってクッションに突っ伏してうごかなくなるやつは一回もやらなかったよ。
夕食中には2回やった。甘えられる人がいてはじめて甘えが顔を出す。
そこから私はピアノへ。さすがに練習不足だったが、今週は妻がいるので練習できます!と言ってしまったばかりに宿題がたくさん出る。
妻がいる、というのは今週との差分にすぎず、あくまで普通の週なんだけど。勇み足だったな。