単純に運がいい町

5月17日(土)
日記を書くのを一度やめてしまうともう戻れない気がして、それはつまり「毎日日記を書いている人」というトラックからはみ出して、ふたたびそこに乗れない気がして、じゃあいいや、とさらに足が遠ざかっていく。本当は毎日書きたいと毎日思ってはいる。
上の子供が6年生となり、いよいよ中学受験が本格化してきた。私自身が中学受験をしている、そして本当に受験をしてよかったと思っているので塾に入れたり受験をしたりすることに対して引け目などは全くなく、早い段階で自分が落ち着くべきところに落ち着けるというのは良いことだろうなくらいの感覚でいる。下の子も5年生となりこちらも塾の曜日が増えるなど熱気を増している。
特に5年生と6年生の(塾側の)熱意の落差はすごく、なにしろいままで5日くらいかかっていた定期テストの採点が6年生になったとたん2日くらいで終わるのだ。「優先順位」という言葉を強く感じる。まあ確かに、塾に働いていたら6年生こそが本番で、あとは前座でしかないよなぁと。
一方でそうやって毎週土曜日の午後が子供らがいなくなってしまったので毎週土曜の夕方に妻と近所でビールを飲んだりしている。少しの間二人で出かけることすら能わなかったここ数年では考えられないことだ。
そんな子供たちだが、この間の金曜日に「ダンゴムシがかわいい!」と言い出して、いちごのパックに土を盛り、ダンゴムシを10匹くらい入れてふたをして飼うことにしたのだそうだ。
ダンゴムシ……かわいいと思える日が私にもあったのだろうか、あるいはこの先に訪れるのだろうか。
まだパックの中は覗けずにいる。
昨日の土曜日はずっとプログラミング(をAIにさせる遊び)をしていたのでビールを飲みに行くことはできなかったが、少し離れた町から近所に移転してきたパン屋兼ワインバーを仕事から帰ってきた妻と見に行ったりした。若い人たちが狭い店内でワイン片手に、もう片手にパンのかけらをもって、がやがやしている。それも、「嫌味なく」がやがやしているのである。
家のあたりはこの10年ですっかりおしゃれな酒場、パン屋、レストラン、スイーツ店、カフェ、なんかが増えてきた。住人としては複雑な心境があるというわけもなく、単純に素敵なお店が多くてうれしい。伝統的な文化が途絶えるみたいなことはあるのだろうか、はたで見ている限り若い人が増えてお祭りとか昔からあるお店も盛り上がり、「単純に運がいい町」のようになっている気がするけど。私たちから見えないところにあれこれ懸念があるのだろうか。
まあ私が懸念していても仕方ないし懸念しながら暮らすのは本意ではないので、まあ時間が許す限り妻と新しい店で飲んで回るのみである。