4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

これを読んでいるみなさん、真昆布を使うといいですよ。

11月14日(月)

年末が近いので午前半休をめちゃくちゃに入れた。特に用事があるわけではないが、去年もそうだったように、毎年11月12月は週休3日のつもりで暮らしていきたい。

この日も午前中は休みのつもりだったが、まあそれなりに仕事はあるもので、朝ちょっと御徒町に行ってコーヒーを飲む時間くらいはあるかな。

朝食に、梅干しごはん、サツマイモと豆腐の味噌汁、かぶときゅうりの胡麻和え、という最高の和食をつくる。最高なのに、どうして子供たちは微妙な顔をしているのかな。胡麻和えは妙に甘くなってしまい、甘い甘いと言いながら家族で食べた。

子供らが出ていったのち、私も家を出て、いつもの通り御徒町のラパンでコーヒーを飲む。この店は常連客が多い。いずれも推定70オーバーの御大ばかりである。カウンター席の端と端をいったりきたりしながら老紳士同士の挨拶をしている。

父は……父は70代になることはなかった。中年のまま死の淵に瀕している。いや、まだわからないといえば、わからないのだが……。

そのあと吉池に行って昆布と味噌を買った。レジで「味噌汁を作る人だな」と思われたに違いない。我が家では信念をもって「真昆布」を使い続けている。最近の日高昆布を食べていないが、その上品なうまみには代えがたいものがある。

これを読んでいるみなさん、真昆布を使うといいですよ。少し値は張りますが、その分少ない量で出汁が出るので見た目ほど高くないですし、何より美味しいです。忙しい日々の台所でうっかりぐつぐつ煮てしまっても、嫌なえぐみが出ません。

帰ってきて昼食は昨日のカレーの余りに、今朝の甘い胡麻和え。里芋カレーに胡麻和えなので、カレー味の和食だ。うまい。

そして届いた50mmのレンズを装着してあたりを撮影してまわるなどした。やや望遠気味、でもズームとは言い切れないくらいの画角なのがおもしろい。「何を撮るか」を明確にして撮らないとまとまらないので、被写体を選ぶという行為の練習になる。

夕食は妻がにんじんと青パパイヤ(冷凍されてとってあった)を豚肉で巻いたのを作ってくれた。言われなかったらパパイヤだとは全然思えない。じゃあなんだ、と言われると困ってしまうが。子供は「……冬瓜?」と推測していたが、まあ遠からず近からず。

夕食ののち、久々に子供と一緒に風呂に入る。子供と風呂に入れるのもあと何年か……

インドに里芋があるか。

11月13日(日)

妻が仕事なので早朝出て行き、間髪いれずに下の子がトイレに行った。早いな……早いがゆえにどうやらもう一度寝たらしい。絡みにいかなくてよかった。

パンとスープの朝食をとり、今日は家でだらだらしますよ宣言をするも、上の子が錦糸町に行きたいと言い出す。錦糸町店…

毎週日曜どっか行ってるじゃないのよ、引率は仕事みたいなもんよ。私に休みをくれ。

どうしても錦糸町に行きたいとぎゃんぎゃんごねるので、まあいいか、午前中で帰ってくるならいいよ、と家を出た。出たところで気づいた。自転車ないじゃん。妻が乗ってったじゃん。

まじかよ。

最初はやる気を見せて走っていくかと身構えたが(そういえば少し前に走っていったけど結構な運動だったな)と思いすぐに取り下げ、キックボードで行くことにした。ランニングシューズを履き替えるのは間に合わなかった。キックボードを蹴らされるランニングシューズの悲しさ。

錦糸町ではトイザらスとか駄菓子屋に行って、少しだけ買い物をして、1回だけ錦糸公園の滑り台をやって、帰ってきた。おおむね無駄な外出ではあったが、天気がすこぶるよくサイクリング日和ではあったので、サイクリングのついでに駄菓子屋に寄ったと思えばまあ、まあ。

家でチャーハンをつくって食べ、午後は子供らが自分たちだけで遊びだしたのでヒマになった。ワガママを言われるは言われるで忙しいし、何も言われないは言われないでヒマである。

ヒマにまかせて中華レンズを1枚買った。TTartisan50mmf2である。APS-Cの50mmなので中望遠だ。マニュアルフォーカスなので子供は撮れない、最短撮影距離50cmなのでテーブルフォトも撮れない。いったい何を撮るつもりなんだおれは?

夜は里芋とひき肉、レンズマメのカレーを作って食べた。つぶつぶした食感に里芋が入っているのはなんか本場っぽいぞ、と奮い立ったがよく考えると本場っぽいというよりは近所のインドカレー屋っぽいのである。あそこは日替わりカレーに里芋などの日本野菜が入りがちだからな。インドに里芋があるか。

念のため今調べたら、インドでも結構里芋は食べられているのだという。へぇ!

もちろん一番うるさいのは君である

11月12日(土)

子供たちが朝から「お昼はポケモンパンがいい」と言い張った。ポケモンパン、そんなに食べたいか? おいしいか?

まあたまにはいいだろうと思って「いいよいいよ、買いに行きなよ」といなしておいた。

昼食より先に朝食があるだろう。納豆の卵とじ丼を食べ、それでもなお「ポケモンパンがいい」と言い続けているので、お金は払うから好きなの買っておいで、スーパーで、と適当にいなしておく。姉妹であれこれ検討した結果、スーパーには行かないことにしてコンビニにパンを買いに行くらしい。

自分たちの昼食を自分たちでプロデュースするのもよい経験だろう。

そこで私の膝が悲鳴を上げた。なぜ!?

唐突な悲鳴に言葉が出ずにうずくまる。悲鳴と言っても、ギャーギャーとかき鳴らすような痛みではなく、チクチクと、小さくしかし確実な悲鳴である。

足を引きずりながら寝室まで這っていき、しばらく横になることにした。妻からは「実際そんなでもないでしょ? もう治ったでしょ?」と言われて、そんなことないよと反論するものの、まあそういわれてもおかしくないな、たまにこうやって心の安息のために家庭から戦線離脱することはあるからな。

しかし足は本当に痛いので妻が習い事に行ったあとも11時くらいまでベッドに伏せていた。

11時くらいに子供らが買ってきたパンを見ると、甘い蒸しパン、甘いパンケーキ、チーズパン、アロエヨーグルトである。ほう、これは教育のし甲斐があるな。私は冷蔵庫に残っていた黒キャベツ(そういう野菜があるのだ)を炒めてパスタをゆで、黒キャベツのアーリオオーリオの準備をしておく。

妻が帰ってきて昼食。子供たちはあまりの甘さ、そしてカロリーの想像以上の多さにびっくりしていた。野菜は?ないよね。身体をつくる食べ物は?ないね。じゃあ、次にコンビニでお昼買うときはどうするかな?カップの野菜を買う。野菜スティックを買う。いいね、正しいね。一度やってみないとわからないことも多いよね。

そのあと下の子とふたりでスーパーに行った。妻が仕事帰りに肉を買ってきたり、らでぃっしゅぼーやで届く野菜の量が増えたりしたので週末の買い物で買うものが一気に減った。小さいイカがぱんぱんにつまって400円だったので買った。

子供たちはバレエに行き、私は仕事。妻はPTAの用事があるので夕方に迎えに行くのは私の仕事になった。PTAの会議、15時から16時半までやるのだという。何をそんな長時間やることがあるんだろうか。

子供たちはバレエのあとで図書館に行きたがったので図書館に行った。そのあと夕食にイカリゾットを家族で食べると、子供たちは眠くなったのか圧倒的に機嫌がわるくなり、特に上の子は家族皆が静かにしていても少しでも物音を立てると「うるさいー-!!!!」と騒ぐ(もちろん一番うるさいのは君である)などぐちゃぐちゃになって、ろくに風呂に入らずそのまま寝た。

もうこの家に住んで8年になるが、近所の風景に飽きることがない。

11月11日(金)

昨日もなんだかんだ寝る時間が遅くなってしまったので5時半に出ていく妻に追随できなかった。うーむ、少し考えたほうがよさそうだ。

とはいえ6時半にはしゃっきり起きて、子供たちを起こしていく。最近上の子の寝起きが悪い、起きてはいるのだがだらだらと本を読んでいて布団から出てこない。「マチスコープ」の音楽を口ずさみながら起こす。上の子は金曜だけやっているこの番組が好きなので、ばっと起きてくる。

パンやスープの朝食をとり、子供らが家を出て行き、テーブルの上を見ると上の子の水筒がそのままになっている。お、届けねば。

いつも一緒に登校している近所の子の家にいたので無事届けられた。帰ってきてテーブルの上を見ると、「健康観察シート」なる体温を記録するシートが置き去りになっている。

二度目となると、もうここからは私の責じゃない。健康観察シートのクリアファイルを眺めながらコーヒーを淹れた。そして予定どおり散歩へ。

古い蜘蛛の巣、川面に跳ね返る光、そういうものたちを眺めながら歩く。もうこの家に住んで8年になるが、近所の風景に飽きることがない。

朝わかったのだが、学校の先生たちはみな研修があるので今日は12時40分くらいに帰ってくるのだという。おうおう、ぜんぜんいいんだぜ。在宅勤務が生み出した心のゆとりよ。わが社がイーロン・マスクに買収されなくてよかった。

昼食どきにミーティングが入っていたので、昼食を先に用意しておく。下の子が「カップ麺のカップ、もう1個いる。一年生用と自分用。一年生に作り方を教えてあげるの」と言ってきたのでふたたびカップ麺だ。できれば先に言ってほしかった、しかしどのみちカップ麺が2食なのは変わらないので一緒か。

ミーティング中に子供らが帰ってきて、終わったら子供らと一緒にカップ麺でも食べるかと楽しみにしていたら、即、遊びに行った。私は14時近くなって一人でカップ麺をすすった。しばらくすると子供らが帰ってきて、お友達が家に遊びに来るのだという。ちゃんと片付けてからにしなよ。

異動が確定したので仕事が身に入らない、入らないというかそもそも少ないところに詰めていく努力をしなくなった。それでよいだろう。

夕方、妻が作ってくれた夕食を食べ、ピアノのレッスンへ。

やっている「All the things you are」が難しくて、うまく弾けない。弾けなかったがそれはそれで。うまくなりたい気持ちもあるが、「できなさを楽しむ」という要素もあるからな。

つくづく感じる銀行の気味の悪さ

11月10日(木)

飲み物の半分をアイスティーに置換したことで二日酔いを回避。さすがに寝る時間は遅くなり妻が起きる時間には起きられなかったが、6時半にはしっかりと目覚めて子供らにパンを食わせることができた。

大人になった。あと前回同じメンバーでしっかりと飲んだあとにコロナに罹患したこともあり、直接の因果はないことを頭では知ってはいるものの「このメンバーで飲みすぎるとコロナになる」の記憶がこびりついているのかもしれない。

子供らを送り出した後に引き出しの片づけをしていると、ビニール袋が出てきた。ずっしりと重い。中を見ると小銭(100円玉と500円玉)がどっさりと入っている。これは?

たぶん以前、貯金箱の中身を空にしたときに出てきたものだろう。ぱっと見で3万円くらいありそうだ。

両替について調べていくと、両替にはお金がかかることがわかってきた。そしてメンバーに酔い明けの挨拶がてら訊いたところ、銀行にもっていくよりATMに突っ込んだほうがいいですよ、というアドバイスをもらったので、午前中に時間をつくって、近所のATMまで出かけていく。

近所のATMで「入金」を選んでも、小銭のドアが開かない。なぜ? 調べると、小銭は支店に装備されているATMでしか利用不可なんだそうだ。

我々がつくづく感じる銀行の気味の悪さは、こういうスッと理解できない「銀行ルール」が多くあるせいだろう。

天気も良いので支店まで歩いていき、そこで小銭を入金した。ジャーっと入れると、一部が入りきらないで返却された。一度に投入可能な枚数を超えています、だそう。ほら、こういうところだよ。

2回に分けて小銭を振り込み、一部は子供の小遣い用に持ち帰ることにして、振り込んだのは24000円だった。臨時収入。なんか買おう。

しかしこの銀行もやもや旅は良かった面もあって、それは朝の散歩が気持ち良いということだ。帰ってきてしばらくは体も暖かく、窓を開け放って仕事ができた。ここしばらくずっと朝にランニングしようかどうか迷いながら暮らしていたが、ランニングせずとも散歩でも効能があるのでこれから散歩を習慣づけたい。やる気のなさと義務感の間でよい折り合いをつけられそうだ。

昼食は家に残っていたものをご飯に乗せて食べる。結局はこれが一番うまいんだよな。

節約とうまいもの探求を兼ねて家で昼飯食おう、しかしランチタイムのウォーキングは唯一の運動だ、というジレンマも、朝のウォーキングで解消する。私はもしかしてすごいことに気づいたのかもしれない。

物理的なお別れ

11月9日(水)

非常に憂鬱な一日がはじまった。なにせ朝から会社で重ための会議、そして私が異動してチームを去る旨を皆に伝えなくてはならない。部署長が去るというのは、それを自分で伝えるということだ。

ちょうど2年と半年前、同じ儀式を行った。その時はオンラインだったのでスライドを用意した。山口百恵の画像を用意し、「さよならの向こう側」の歌詞を引用して楽しく伝えた。

今日はリアルミーティングがあるのでそれは行わない。物理的なお別れである。

子供たちが学校にいくのとほぼ同時に家を出ないといけないので朝から洗濯をして、焼きおにぎりを焼いて子供たちに食わせ、食わせている間に洗濯ものを干して、バッグにPCを詰め込む。

家を出て会社へ。9時にどうにか間に合った。

一応部署は出社日なので私の部下もたくさん来ている。昼食は時間がなかったので近所でパンを買ってあったが、部下もパンを買ってきたので一緒に食べた。今日、別れの挨拶があるとも知らず……。

午後も重たい仕事があって、それをどうにか片付けて、18時までのカウントダウンに入る。

18時に会議室に移動し、うすうすお察しの方も多いと思いますが、私が出向から帰任、正確には出向先変更という形でこのチームを去ることになります。と伝えた。会議室に、静寂が墨のように流れていく。オンラインで入っているメンバーも多く、チャット欄にも同じ墨が流れていく。これが物理的なお別れか……

何か質問はありますか? そりゃないよな。

自分が部署の長として求心力があるか、有体に言えば好かれているかどうかは、どこまでいってもわからないものだが、しかしこういう時は周りがどうかを気にせず、主観を発するのがよいのだろう。寂しい気持ちでいっぱいです。

その後は飲み会があって、新しいメンバーの歓迎会なのだ。歓迎会なので楽しくやろうという皆の心意気があって最後まで楽しく話すことができた。二日酔いには絶対になるまいの気持ちを込めて飲み物の半分をアイスティーやラムネにしたので、時間は遅かったものの、すっぱりと帰ってこれた。

本太郎でも本姫でもない!

11月8日(火)

リビングに「杖」がころがっている。魔法のステッキのようなやつだ。ボタンを押すと、底抜けに明るいパーティーソングみたいなのが大音量で流れてきらきら光る杖。子供らが魔法使いごっこでよく使っている。

それが、ボタンを押しても音がでない、と下の子から相談された。ねじを外して電池ケースをあけると単三電池だったので電池を替えてやった。

ところが、光りはするものの音がしない。いや、音はしている。耳を杖に近づけると陽気な音楽が聞こえる…!

鳴っては、いる。鳴ってはいるからOKだよね、と下の子に確認をとる。実は前々からちょっとうるさいと思っていたのでこのくらいでよいだろう。

上の子が全然起きてこない。7時になったので起こしに行くと、一応何か本を読んでいる風ではある。ちゃんと起きるんだよ、と言い残してリビングに戻るが、ぜんぜん起きてこない。まじかよ。7時半くらいにようやくうろうろと起きてきた。

下の子の咳がひどいので今日はオンライン参加。朝食のついでにチャーハンをつくっておき、妻はそれを弁当に詰め、残った我々は昼食にそれを食べた。コーンを入れてほしいのリクエストを無視してしまって、後乗せにしたがこれはこれで変化がついてよいな。

今日は午後休みの予定だったが、昨日解放していろんな人に預けていたら予定が詰まってしまった。一日でこんなことあるか?

上の子がずっと本を読んでいて、ぜんぜん返事をしない。「本太郎」と呼んだら「本太郎じゃない! 本太郎でも本姫でもない!」と怒った。