4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

トランスジェンダーと同棲する、あるいは生涯の伴侶にすること

3月20日(日)

実家に家族で行くことにしている日だ。

ただ妻の体調が十分にすぐれず、父の抵抗力の減少も加味してどうするか二人で悩む。仮に風邪をうつすようなことがあればあまりよろしくない。

とりあえず妻が焼いたあんパンを食べた。あんパンは盛大に、うつくしくあんがはみ出していて家族ではしゃいだ。やはり失敗パンはいい。レタスとトマト、ゆで卵を添えて。

さんざん迷った挙句、子供たちだけ連れていくことにした。父が万が一の状況なら子供に会いたいだろうし、子供たちも犬に会えるのを楽しみにしているから。

電車に乗って実家へ。ついでに川崎駅で子供の誕生日ケーキをピックアップしていく。予約が妻の名前で、「予約の際のお電話番号を確認しております」と言われて一瞬うろたえた。妻の電話番号、ぎりぎり覚えていた。上の子も覚えていた。

父は元気そうで、到着した子供らに手洗いの場所を案内するなどしている。母も久々の来客がうれしそうで、揚げ春巻きやいなりずしなどのごちそうを用意していた。

そして弟の彼女がいた。弟が彼女と同居を始めたというのは聞いていたが実際に会うことはなく、今日来ると聞かされていなかったので兄として大変にうろたえる。

弟はトランスジェンダーである。数年前まで妹であった。妹が弟になる体験は私の性別観を大きく塗り替えたがそれについてはここで語るまい。

トランスジェンダーと同棲する、あるいは生涯の伴侶にすることについて、私は想像ができない。ストレート同士で結婚し、子供を2人設けた人間には到底想像しえない深みがあるだろう。想像することすらおこがましい、と感じる。

あれこれうずまく思いと裏腹に彼女は人懐こく、私と同い年だそうでとても話しやすかった。子供たちとも遊んでくれた。近所の公園まで犬をつれていくのにもついてきた。父は留守番だった。

父の部屋のエアコンを掃除し、父の背を何度も撫でてから帰る。あとで聞くと今日は初回の入院以来いちばん調子がいい日なんだそうだ。そういう日に来られてよかったよ。

家に帰って、買い物に行くのも面倒で、とりあえず夕食はカレー。昨日のうちに作っておいてよかった。

子供らは弟が誕生日プレゼントにくれたバスボムを風呂に溶かして、中からシナモロールの人形が出てきて狂喜乱舞していた。

妻が上の子を先におぶって寝室につれていったことが下の子が気に入らなかったらしく、延々と夜泣きのようなことをしていた。おうおう、幼児期がかえってきたぞ。