5月2日(月)
平日で子供たちは学校ではあるが大人は子供に内緒で有給を取得している。夫婦で出かけるとなるとこういう日に限られてくる。
子供らに飯を食わせて送り出したのち、電車に乗って代々木八幡へ。妻の趣味であるところのパン屋巡りに付き合うことになっている。
朝の代々木八幡はすがすがしく人通りも少なくさわやかである。朝早いからかゴールデンウィークだからか、店もあらかた閉まっていてなおさっぱりしている。
パン屋に入っていくつかパンを買い、地図を見つつうろうろしてまた次のパン屋へ向かう。
パンは確かに生活にとって欠かせないものではあるが、代用品もまた多い。こんなにもパン屋が多い町に住んでいるとパンを食べる頻度も上がっていくのだろうか。逆にパン屋が少ない町ではみなパンを食べているのだろうか。
食べているのだろうな、超熟を。
いや、超熟に何の想いもないし全然おいしいよな。
散歩の最後にポルトガルのエッグタルトを食べ、エスプレッソを飲む。カフェでちゃんとコーヒーが飲みたいよねといって入った近くのカフェがすごいところだった。
なんと店内にメニューがなく、バリスタ?の方が好みのコーヒーを聞いて、豆の配合、粉の細かさ、淹れ具合などお勧めして淹れてくれるのだという。バリスタというよりコーヒーソムリエというかバーテンダーに近い。
お姉さんバーテンダーが好みを聞いてくれた。エチオピアが好きなのでベリー系に振りきってもらう。妻はオレンジだった。好みの方向が近い。
まさにバーテンダーの手つきでネルドリップを操り、淹れていく。最後に壁の棚に並んだコーヒーカップからよきものを見繕ってくれる。
うまい、これでうまくなかったら何かがおかしい。芳醇なベリーの香り、とろっと濃い。
今度は甘く苦いやつを頼んでみたい。
そういえば私も喫茶店をやりたかったのではないか。
喫茶店ではなくともその真似事をやりたかったのではないか。コーヒーカップ並べてコーヒーを丁寧に淹れるために1Fを改装したのではなかったか。
思い出せ、夢を……。
そのあと代々木公園に行ってバラなどを見て帰ってくる。本当はゆっくりと座ってパンを食べたかったがカラスの数がすさまじく、私は大丈夫だったが妻がおびえてしまって、帰ってきた。
カラスが苦手だったのか。結婚して11年経つが知らないことも多いな。最近苦手になったのかもしれないが。
家に帰ってきてから自転車にまたがり、合羽橋を目指す。ここにはコーヒー用具専門店があるのだ。
迷って迷ってKalitaのポットとドリッパー、コーヒーミルを購入。リビングにも当然ミルもドリッパーもポットもあるが、そういう理論ではないのだよ。これはロマンなのですよ
子供らが帰ってきたのでさも仕事をしてきたかのようにふるまい、夕食に宗八カレイの焼き魚を出して一日をしめくくった。