4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

さやわかに救急隊は去っていく。

4月3日(日)

妻が倒れている。昨日から調子が悪そうだったがとうとう立ち上がれなくなった。

白湯をすすめるが、それすら飲めないらしい。頭とおなかが痛い、吐き気がすさまじいのだそうだ。

妻は最近体調に不安があってそのせいかと思ったが、一方で胃腸炎のようでもある。

不安がる子供たちにパンを食わせよう。下の子と家を出るがパン屋は閉まっており、コンビニで買うかとコンビニに入るが、あ、ホットケーキにでもするか。デザートのメロンパンだけ買って帰る。

ホットケーキを焼き、メロンパンを食べる。

妻はあまりにも苦しそうでやりとりも難しく、日曜やっている内科を調べて電話したが部屋があいていないそうだ。

「病院あいてないって
「救急車呼ぶ?
「呼ぶ? 呼んでいい?

息も絶え絶えの妻を背にスマホをとって、119を押す。

「火事ですか? 救急ですか?
「救急です
「ご住所を
「〇〇です

最初に住所を聞くのだ。そうすることですぐに救急隊が動けるから。ザ・オペレーションという感じがする。

子供らがわんわん泣いた。お母さん入院するの? どうするの? おるすばん? そうだよ、お父さんはお母さんを送っていくから、少しお留守番していてね。

救急車が来るまでの間にバタバタと身支度を整える。あっという間に救急隊が到着した。大丈夫ですか!? 上までお迎えに行きましょうか!? 大丈夫どうにか歩いて来るらしいです。

救急車に乗っているあのガシャガシャと音のする移動ベッドのような奴が家の前に横付けされた。あれ、実在するんだ。妻をひょいと乗せる。

「お子さんいらっしゃるので大丈夫です、119番いただいた番号に病院など連絡します!」と言ってさわやかに救急隊は去っていく。なんだよ、付き添いいらないのか。

子供らをどうにかしないといけないので、上の子に誕生日プレゼントをあげることにした。ポケモンカードだぞー。拡張パックを剥いていく。あ、「シロナの覇気」だ。これ高いぞー!

しばらくしているとピンポンが鳴った。あれ? 妻が帰ってきた。

「救急車に乗って救急隊と話してるとよくなった」よくなったのか!?

「何かあったら遠慮なくまた呼んでください!」さやわかに救急隊は去っていく。

たまにタクシー代わりに救急車を使う人が問題視されているが、その気持ちよくわかる。だってすぐ来るし、さわやかだし頼りになる。救急車にこんなこと言ってはならないかもしれないが、圧倒的に「便利」だ。

帰ってきてすっかり良くなったかのような顔をしてニコニコとリンゴを食べた妻だったが、その後再び倒れてしまうのだった。

子供らと昼食を食べる。ねぎの甘みそ和え、さつまいもの味噌汁。

倒れた妻の様子をときどき伺う。何度もトイレに行って帰って、あとはうずくまって動かない。ポカリスエットは少しずつ少しずつ減っているようだが、それが吸収されているのかトイレに消えているのかはわからない。

心配すぎるがもう1回救急車を呼ぶかと聞くと否というのだ。まいったなぁ。

結局夜までずっとその調子で、何も食べることも飲むこともできず寝ていた。私はつくりおきの牛筋の煮物とマーボーナスをつくり、夕食を子供たちと食べた(覚えていないが大したものをつくっていないはず)。