4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

末期がんに侵されながら季節の移ろいに気づく父

10月29日(土)

妻がずっと「逗子に山歩きに行きたい」と言っていて今日はその日である。しかし私は実家に顔を出したい。逗子は実家からの帰り道にあるので、帰りに私だけ寄ることにした。

ずいぶん前に買ったリュックがようやく出番である。今日は歩いた後の銭湯がついているのだそうだ。うれしいね。子供たちと一緒に家を出る。

っと、上の子! そこそこ分厚いダウン着てるな!? いらないよ?

でもウィンドブレーカーを学校に忘れてきて仕方ないのだという。えー。山だよ?案の定、行きの電車で脱いで、妻の荷物を増やしたきり、しばらく着なかった。

逗子(厳密には神武寺)までは1時間半くらいかかる。京急線は良く揺れる。子供たちは吐き気をこらえてどうにか到着。

改札を出ると……「倒木のためハイキングコースは通れません」まじか!

少し歩くと別の登山口からは入れるようなので歩いていく。コンビニでお茶とかお菓子を買った。私はチョコが食べたいのでDARSを買う。これも昔に比べると小さくなった……かな? あとで調べると最近また改訂があって、一度小さくなったサイズが少し大きくなったらしい。この時代にそんなことあるのか。

ずんずん山を歩いていく。上の子は「根っこが生えてて、湿ってて、落ち葉が落ちてるような山道」がベストだと言い張り、歩く道に点数をつけていた。下の子はそれに乗じて、歩く先々で上の子に「この道は何点?何点?」と聞き続けていたので家族からうるさがられている。

12時過ぎには下山している予定だったが倒木で当初の目論見がはずれたこともあり、12時過ぎに頂上の公園、そこから大回りで下山して13時過ぎにようやく街に戻ってきた。

海産物がおいしい定食屋があると目星をつけていたのでそこに向かうとランチは予約制である。まじかー。全体的に詰めが甘かったね、と妻が反省している。

しかし駅前をうろうろすると寿司屋があって、すっかり魚の口になった我々も満足するような寿司を食べることができた。特にマグロは三崎港直送とのことで旨い。子供もだいたい一人前の寿司を食べ切った。

その後は近くの銭湯へ。銭湯は開いていた。よかった。大きな風呂に入ってゆっくりと足を伸ばす。山歩きの神髄は頂上じゃない。この瞬間だな……

帰りに私だけ途中下車して実家へ。いつもは何台かいるはずのタクシーが全然来ないので母に迎えに来てもらった。迎えに来てもらう間にタクシーが2台来た。お礼に梨を買っておく。

家に着くと父がいた。父は食欲がないが、梨は好物でよく食べているのだという。洋梨より和梨が好きなのだそうだ。和梨でよかった。

「季節によって、ほんとにいろんな種類の梨があるんだよ。驚いた」とのこと。末期がんに侵されながら季節の移ろいに気づく父。

特に何ができるわけではないのでマッサージしてやることにした。横になりがちなので腰や肩がこわばっているそうだ。よく立ち仕事の妻の背中をもんでいる経験が活きる。こんなことでよければいつでもしてあげるから……

家に帰ると子供らは夕飯を食べ終わっていた。疲れて眠くなり、すぐに寝た。