4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

逆イッツアスモールワールド

9月22日(木)

最後にバリウムを飲んだのは3年前で、34歳のときだった。

35歳の誕生日前の検診からバリウム検査を受けることができて、初回だったのでとりあえず飲んだが、わけのわからない一連の体験で正直あまり良い印象がなく、40歳までは別に受けなくてもいいです、という話を聞いてからというもの毎年スキップしていた。ついでに検便もさぼっていた。

でも今年は違う。父が癌になったからだ。何かがわかるのであれば少しでもやったほうがいい。検便もしっかり採取した。襟を正して健康診断に向き合うのだ。

そういえば父も、私が中学生くらいのころ、胃に怪しいものがあるといって切除したのだった。あれが癌だったのかはわからないがかなり初期的なものだったのだろう。癌にも遺伝要素があるのかもしれない。

朝起きて、私は朝食が食べられないが家族に納豆卵ごはんを出す。最近子供たちが納豆卵ご飯を食べるスピードが目に見えて遅くなり、これは遅効性の飽きではないか。毎週食べているからな。来週からは納豆オムレツにしてやろう。

「それっておいしいの?」「おいしいに決まってるさ、パパの料理だもん」自信はない。

のんびり準備をして、ふと紙をみると9時からになっている。あれ!?あと2分で9時ですが。いつも10時じゃなかったっけ。あわてて家を飛び出して会社へ。

健康センターはずいぶんとガラガラで、あとで思い出したが今日は有給取得奨励日なのだった。すんなり入れたばかりか、すべての項目でまったく待ち時間がないという快挙であった。

問診、身長体重は16年間おなじをキープ、視力、聴力、正常。採尿、胸部X線、そして超音波。

超音波をぐりぐりとうけながら、担当の人に聞いてみた。

これって何臓を見てるんですか?

「消化器以外のみんなですね。肝臓、腎臓、膵臓、胆のう、そのあたりです。」

結構細かく見えるんですか?

「もちろん骨などで影になる部分はありますが、最近性能が上がってきて、2~3㎜あれば見つかりますね。」

この超音波検査って、普通の健康診断のメニューに入ってるんですか?

「入ってないです。」

うちの会社、ありがてえなぁ……

「私もそう思います。」

とってもありがたいのだ。だって、私の父がもしこの検査を毎年受けていれば、ステージⅣになってからすい臓がんが見つかるなんてことはなかったのに!

父さん!

感傷にふけっても仕方がないのでバリウムへ。そうだ最初に注射するんだった。

注射、なぞの薬、なぞの液体を飲みながら指示に従って動く、おなかがぐちゃぐちゃになる。嫌なことばかり良い順番でおこる。逆ディズニーランドだ。逆イッツアスモールワールド。

家に帰って、昼食はカルビ定食にした。バリウムには食物繊維がいいと聞いたので、ナムルをたくさん食べる。

午後は仕事をしたがあまり上がらなかった。仕方あるまい。

妻がつくってくれた夕食……とリビングに行くと、解凍されつつある刺身が残っていて、なるほど刺身を切るのは私の仕事というわけだ。