4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

消えゆく人は子供のよう

9月19日(月)

父に会いにいきたいと思った。

夏のはじめ頃はだいぶ順調に見えた父の癌はその腹の中で着々と進行しており、やはり各種数字が10倍になるなどしているそうだ。何%上がった、程度だと深刻さはわからないが、数値が10倍になった、と言われるとそれがなんの数値かわからずとも怖れを感じるだけの迫力がある。

雨漏りの現場である子供部屋の窓辺にならんでいたタオルや古着を絞る。少しは雨も落ち着いてくれるといいが。

妻が焼いたパンを食べたのち、子供たちをうまくはぐらかして、電車に乗って実家へ。何か手土産と思って母に聞くと「梨か、何か甘いもの」と言われたので、川崎駅で20世紀梨とデーツを買っていった。デーツは甘い。口に合わなければ持って帰ってきて私が食べる心づもりだ。

川崎駅からバスに乗る。私が小学生のころから繰り返しているムーブだ。家を出るころには晴れていた空が、バスに乗るころにはぽつぽつと降り始め、バスのドアが閉まって発車した瞬間から土砂降りになる。

傘はない。これはバス停からダッシュ案件だなと思って身構える。土砂降りはすぐに収まり、また土砂降りになり、またおさまりを繰り返し、私がバスを降りるときには小降りだった。走って実家へ。

父は元気そうだった。薬の量を増やしたせいか日中は眠く、スマホやPCの手元が狂うそうだ。ヤフオクでうっかり4900円のパソコン(4900円のパソコン?)を落札してしまったらしい。私の愛用するカメラX-E4が販売中止になったこと、先日バイクを廃車にしてきたことなどを話した。デーツは気に入ってくれたようで置いていくことに。

昼食にすだちそばを食べる。厳密にはへべすだそうだ。卵焼き、揚げナスまでついている。父も私も完食。

父が昼寝に行ったあと、母が言った。

「だいぶぼんやりが増えてきたけど、あとから振り返ってみると『あの頃はよかった』になるんだよね。今が残りの人生で一番いいときなんだよね」

そうなんだろうな。

帰る前に父の様子を見に行ったら、横向きに寝ていた。声をかけても反応しない。うちの子供たちみたいだ。

消えゆく人というのは子供のようなんだよな。

あれはもうずっと昔、飼っていたセキセイインコが寿命で死にかけたとき、「だんだん赤ちゃんに戻っていくような気持ちで見てあげてください」と獣医さんが言ったのをよく覚えている。それ以来、生物が徐々に死にゆくというのは子供に戻るプロセスのようだと感じている。

父とまともに話ができるのもあとわずかなのだろうか。後半の連休で、もう一回、来ようかな……

しゅん、として家に帰る。

15時くらいだったので、おやと思って近所の和菓子屋に行ってみたら案の定子供らがいた。お友達と、お友達のお母さんもいた。かき氷を食べている。昨日のリベンジができたんだね。子供は生命の凝縮だ。

家に帰ってぼーっとして、夕食に昨日作った牛筋カレーを食べて、寝た。