8月12日(金)
時間を巻き戻して。朝食のバイキングは和食と朝食とある。レストランではなく大広間みたいなところで風情はゼロに近い、「風情はゼロに近い」というメタ風情がある。
おかゆの入っている炊飯器がNational製で「ニューロ・ファジィ」のシールが貼ってある。第二次AIブーム!!!
準備をしてトレッキングをする。
越後湯沢駅からバスに乗って20分ほど、「八木沢口」で降りる。越後湯沢からのバスは山歩きとおぼしき人々が10人ほど同乗したが、ここで降りたのは私一人だった。
トレッキング湯沢Ⅰの駐車場を抜けると登山道入り口があり、すぐに見つかったが、私はここで10分ほどためらってしまった。
登山道の入り口が完全に草で埋もれており、この調子で続くのであれば整備も不十分では……?とやきもきしていたが、思い切って草をかきわけ進むとどうにか森の中の道に出た。
ずんずん進む。山登りというより山歩きで、大きなアップダウンもなく順調。途中、沢を渡ったり、眼下にエメラルドグリーンの川を眺めるなど。
川が岩を大きく削り取り、四角く切り取られプールのようだ このあたりでスマホの電波が途切れた。前後だれもいず、電波も届かないので、あとになってこれは危なかったなと思い返す。妻にLINEで「〇〇時までに連絡がなかったらレスキューを呼んでくれ」をやっておくべきだった。
あとになってわかる素人の恐ろしさだ。学ぼう。
1時間ちょっとくらい歩くと「フィトンチッド広場」に着く。昔フィトンチッドという生物学者が……とかそういう逸話があるわけでもなく、単なる広場だ。しばし休憩。
看板の上に乗っているのが今回のストック。下山まで付き合ってくれた。 ここから少し行くと栄太郎峠への上り坂入口に出る。
不穏な感じだがこの時はまだ写真を撮る余裕があった ここからは一気に「山登り」になる。沢を跳びながらわたり、岩のがけを登り、急勾配をよじのぼっていく。
何度も沢を越える。「ここ越えるのかよ……」と独り言が出た。 少しでも平坦な道になると、今度は草たちが道をふさいでいる。露に濡れた草葉がズボンを濡らし、体力を奪う。
そしてまた沢を越え、急勾配をよじのぼっていく。
道なき道をのぼっていく。沢は涼しいし、少なくとも地面は傾いていない。沢に着くたびにリュックをおろし、シャツを脱ぎ、休んだ。 1時間近く登り続け、体力の限界に近づいたころ、周囲の雰囲気が変わった。これはブナの原生林。
勾配は急だが美しい。「うつくしい…」と声が出た。 宇宙や星空にも似た神秘を感じる。写真左側が登山道。まもなく山頂か。
栄太郎峠の山頂。 山頂とはいえ草に覆われている。お決まりの「ここが山頂……? 見晴らしは……?」をやって、少し歩くと見晴らしポイントがあった。
あってよかった見晴らしポイント。 山頂とはいえ工事用車両が通る道もあり、制覇した感覚はない。だが久々の運動でこれなので明日は筋肉痛確定だろう。
あとはただ下るだけ。 ブナ林をサクサク下る。 途中ちょっとだけ川を越えるところがある。数時間ぶりにほかの人に会った。 最後は「アルプの里」という、高原の公園について終了。 3時間ちょっとの道のりだった。くつはちゃんとしているが、その他はもうすこしマトモな装備で来たかった。 アルプの里について、あまりおなかが空いてないけどもう昼だし、とおにぎりを1個食べたらまたたく間に持ってきた3個全部を食べ切ってしまった。カフェでレモネードを買って飲む。
最後はロープウェイに乗って下山。
改めて写真を見返すと、はたしてほんとに一眼で撮ったのか?というクオリティだな。そっちも勉強しないと……(そして広角じゃなくて標準を持っていくべきだったと強く思う。広角だとスマホ感が強い) 帰ってきて、13時にオープンしたホテルの温泉にすべりこむ。体中のドロドロが溶けて流れていく。数日前の日記を思い出す。カタルシスが見えている不快は? エンタメだ!
脚をほぐしながら、誰もいない温泉の露天風呂でだらだら。最高に最高を重ねた瞬間。
そこから少しだけ昼寝をして、仕事をする。ワーケーションなのだった。
仕事が終わったら蕎麦屋で蕎麦を食べ、ビールとおつまみを買ってきて部屋にこもる。22時くらいまで仕事をして、そこからビールを2本飲んで寝た。買ってきたつまみは食べるのを忘れた。