4階建ての2階部分

上の子:2013年生まれ 下の子:2015年生まれ

君の父親は死なないが、私の父親は死に向かって邁進している

2月13日(日)

昨日上の子に、「早く起きても下の子を起こさないように。寝ている時間をむりやり中断されるというのはとても辛いことだよ」と説いた。

最近上の子のほうが先に起き、ゲームをしたいから下の子を起こすのだという。なぜ下の子を起こすのかというと、ゲームの時間が限られているので下の子がいない時間にゲームをするとそれはそれで怒られるからだそうだ。

頼むから別々に生きてくれ。別々の生き物であることを自覚してくれ。

今日はどうだったか上の子に聞くと、「今日は下の子のほうが先に起きて、起こされた」と言う。そのパターンもあるのか……

朝食は白飯、味噌汁。そして子供たちはお友達の家に遊びに行き、私は電車に乗って実家に向かう。

毎週末こうして実家に向かっており子供たちもさすがに何かを怪しんでいるのではないか? いや逆に怪しまなくなったのだろうか?

12時前に実家につく。父は多少血色もよくなっていた。母と私と3人で鍋焼きうどんを食べる。天ぷらまで食べられていた。食べられるのは良いことだ。

水曜から入院し、木曜から新しい抗がん剤の投与が始まる。副作用が少ないことを祈るしかない。

力仕事をお願いしたい、と言われていて、話を聞くと母の寝室のベッドを弟のベッドと交換したいとのことだった。遅れて弟も合流し、力をあわせてベッドを移動する。

移動性の観点ではさては布団のほうが有利だな?

父はリビングにずっと座ってテレビを見ている。カメラやPCの話題をふると答えてくれる。もう父からは身体性が20%ほど剝離されているように感じた。

弟に送ってもらって、帰りにバッグを物色していく。ラゾーナ川崎へ。オープン当日、いやプレオープンの日から通っていたが、当時から変わらず入っているテナントは全体の10%くらいになってしまった。

家に帰り、クリームシチューを作る。鍋に野菜(根菜と白菜)と肉を突っ込み、塩とオイルをかけて少し水を入れて無水調理。そこへ牛乳を入れ、片栗粉を溶いて完成。

いったいなぜこの世にクリームシチューのルーがあるのかわからなくなるほどの簡単さと完成度だ。

寝る前に風呂に入り、子供たちはクレオパトラの話をしていた。

下の子いわく、

クレオパトラは、ひいひいひいひいひいひい……おばあちゃんかもしれないよ」

妻「そうだね」

クレオパトラはもう死んじゃったんでしょ?」

「もちろん」

「ママが死んじゃうとき、わたしは何歳?」

「さあねぇ……」

「何歳なの?」

上の子はそれをなんとなく聞いていたが、ふと泣き出してしまった。ママしなないで~、パパしなないで~

死なない死なない。抱き上げて背中をたたいてやる。死なない死なない。

君の父親は死なないが、私の父親は死に向かって邁進しているところではある。